中世の秋〈1〉 (中公クラシックス)



中世の秋〈1〉 (中公クラシックス)
中世の秋〈1〉 (中公クラシックス)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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中世観再考

 誰が言い始めたのかわからないが(おそらくマルクス?)「中世は停滞した、暗い時代だ」というイメージが定着している。そしてわれわれの持つこの時代のヨーロッパのイメージは、異端裁判やガリレオの迫害に代表される、スコラ神学が一世を風靡し教会によって世界が支配されていたという構図である。もちろん、それは一面正しかったのかもしれないが、王侯貴族も庶民もそうやって縛られて生きていただけではあるまい。それは現在に残るさまざまな絵画や文学作品からも推定することができる。そしてそれを古文書からの掘り起こしというかたちで、実証的に呈示したのがこのホイジンガの代表作「中世の秋」である。
 本書はれっきとした歴史書ではあるが、反面読者を飽きさせない鮮やかな例示に優れている。読んでいて中世のひとびとの日常の生き様が眼前に展開される観がある。舞台は全ヨーロッパではなく、ホイジンガの暮らしたフランドル(オランダ・ベルギー)地方と、関連の深かったフランスが主な舞台である。この地域に普段われわれはなじみがないと思われるが、音楽や絵画で有名なように、当時ヨーロッパの先進地帯のひとつであり、絢爛たる文化がそこに展開されていたことが伺える。
有難とう.中公クラシックス.中世の秋

待ちにまったホイジンガの名著のナンデイ版.どういう次第か読みかけの中央公論の(世界の名著)のなかで,中世の秋のみが,行方不明の侭になっていたのである. 友達に貸したのかどうかも解らず永年気がかりであった.堀越孝一氏の解説も,平易で親しみが持てる.年齢を重ねるにつけて,奥深い洞察にみちたホイジンガの思索の集大成に益々魅せられている.



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